送信前チェックリスト12項目(メール・見積)|AIが書いた文を取引先に送る前に。照合プロンプト付き
見積の返信や値上げ、お詫びのメールをAIに下書きさせたとき、送る前にどこを見ればいいか。見るのは下の12項目です。急ぐときは「日付」「金額」「約束」の3つだけ見てください。
送る前に確かめる12点
| # | 項目 | 見ること |
|---|---|---|
| 1 | 日付・期日 | 自分が伝えていない納期・改定日・支払期日が書き足されていないか |
| 2 | 金額・数量 | 金額・割合・本数・回数が、自分が渡した数字と1つずつ一致しているか |
| 3 | 名前の表記 | 社名・氏名・部署名が推測で足されたり、変えられたりしていないか |
| 4 | 見込みの言い切り | 「2日ほど」「予定」が「必ず」「確定」に変わっていないか |
| 5 | 宛名・敬称 | 会社宛か個人宛か、様・御中の使い分けが実際と合っているか |
| 6 | 敬語のかたさ | 普段のやり取りの距離感と、文面のかたさが合っているか |
| 7 | 謝罪の強さ | 事の重さに対して、謝り方やへりくだり方が強すぎ・弱すぎないか |
| 8 | 署名・連絡先 | 渡していない電話番号・住所・肩書が入っていないか |
| 9 | 件名と送り先の形 | メールなら件名があるか。チャットに貼るのにメールの形になっていないか |
| 10 | 改行・見た目 | スマホで開いたとき、段落が詰まって読みにくくないか |
| 11 | 送ってよい約束か | 値引き・価格の据え置き・納期の前倒し・無償の対応を、勝手に約束していないか |
| 12 | 送るタイミング | 気持ちが動いているときに作った文ではないか。一晩置ける文面ではないか |
急ぐときは1(日付)・2(金額)・11(約束)の3つだけ見てください。お金と条件のメールで、送った後に取り消しにくいのはこの3つです。見るコツは「間違い探し」ではなく「自分が渡していない数字や約束が増えていないか」です。間違いは元の情報と見比べれば気づけますが、足された一文は見比べる相手が無いので、見落としやすくなります。
試した結果(Claude Sonnet 5〈当時の無料プランの標準モデル〉・2026-09-18。ChatGPTでは未確認): 取引先あてのメールを3種類頼むと(各1〜2回)、2種類で、渡していない部署名・日付・約束が足されました。お詫びメールで足された3つは、下の依頼文で元の指示と照合させると(Claude Opus 5.5・2026-09-25・1回)すべて×(渡していない物だと正しく見つけた、という意味)になりました。照合に使ったのは有料プランのモデルです。無料版では見落とすことがあるので、×が無くても日付・金額・約束の3つだけは自分で見てください。
AIへの依頼文(プロンプト)
目で見る時間も無いときは、新しいチャットを開いて、下の文に「自分がAIに渡した指示」と「できた文面」を貼り、AIに元の指示と照合させます(下の文は、AIへの指示文=照合プロンプトです)。下書きを作った会話の続きではなく新しいチャットにするのは、元の指示と文面の2つだけを並べて比べさせるためです。「(ここに〜貼る)」の2か所を、自分の指示と文面に置き換えて使ってください。
次の【文面】に含まれる名前・日付・金額・数量・約束を表す表現をすべて書き出し、
それぞれが【元の指示】に書かれていたかを○×で判定してください。
評価・感想・改善案は書かず、表だけを出力してください。
【元の指示】
(ここに、AIに下書きを頼んだときの文をそのまま貼る)
【文面】
(ここに、送ろうとしている文面をそのまま貼る)
×が付いた行は、自分が渡していない情報です。×の行を1つずつ見て、事実と合っていなければ消すか書き直してから送ります。
記入済みの例と実際の出力(納期遅れのお詫びメール)
記入済みの例(下の「日付・金額・約束が足されていないか見る」で実際にAIが書いたお詫びメールを使います)
次の【文面】に含まれる名前・日付・金額・数量・約束を表す表現をすべて書き出し、
それぞれが【元の指示】に書かれていたかを○×で判定してください。
評価・感想・改善案は書かず、表だけを出力してください。
【元の指示】
本日17時までに提出予定だったバナー案の納品が、体調不良のため2日ほど
遅れそうです。取引先の担当者名は「田中様」、会社名は「〇〇商事」です。
【文面】
件名:バナー案ご提出の遅延についてのお詫び
〇〇商事 営業部 田中様
いつも大変お世話になっております。
本日17時にご提出予定でございましたバナー案につきまして、体調不良のため誠に恐縮ながら2日ほどお時間をいただきたく、ご連絡申し上げました。
私の管理不足によりご予定に影響を及ぼしますこと、心よりお詫び申し上げます。深く反省しております。
9月20日17時までに必ず提出いたしますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
今後はこのようなことがないよう、スケジュール管理を徹底してまいります。
何卒よろしくお願い申し上げます。
答え合わせ: 元の指示と文面を人が見比べると、指示に無いのは次の3つです。
- 「営業部」(部署名は渡していない)
- 「9月20日17時」(具体的な日付は渡していない)
- 「必ず提出いたします」(「2日ほど」という見込みが、約束に変わっている)
実際の出力(Claude Opus 5.5・2026-09-25・新しいチャットで1回。有料プランのモデル。無料版では結果が違うことがある。ChatGPTでは未確認)
| # | 文面中の表現 | 種類 | 元の指示に記載 |
|---|---|---|---|
| 1 | 〇〇商事 | 名前(会社名) | ○ |
| 2 | 営業部 | 名前(部署名) | × |
| 3 | 田中様 | 名前(担当者名) | ○ |
| 4 | 本日 | 日付 | ○ |
| 5 | 17時(本日17時にご提出予定) | 日付(時刻) | ○ |
| 6 | 2日ほど | 数量(期間) | ○ |
| 7 | 9月20日 | 日付 | × |
| 8 | 17時(9月20日17時まで) | 日付(時刻) | × |
| 9 | 必ず提出いたします | 約束 | × |
| 10 | 今後はこのようなことがないよう、スケジュール管理を徹底してまいります | 約束 | × |
答え合わせの3つは、すべて×になりました。答え合わせに入れていなかった「スケジュール管理を徹底してまいります」という再発防止の約束にも×が付いています。この約束を残すかどうかは、項目11(送ってよい約束か)で自分で決めます。表に×が1つも無いときは、上の3行のように自分でも見比べてください。
日付・金額・約束が足されていないか見る(項目1〜4)
AIに「2日ほど遅れる」とだけ伝えてお詫びメールを頼んだところ、渡していない部署名と具体的な日付、それに「必ず」という約束が足されました。
試したプロンプトと実際の出力(納期遅れのお詫びメール)
記入済みの例プロンプト
以下の状況で、取引先へのお詫びメールの本文を書いてください。
状況:本日17時までに提出予定だったバナー案の納品が、体調不良のため2日ほど
遅れそうです。取引先の担当者名は「田中様」、会社名は「〇〇商事」です。
条件:丁寧だが卑屈になりすぎないトーンで、250字程度。件名も1案。
実際の出力(Claude Sonnet 5・2026-09-18。ChatGPTでは未確認)
件名:バナー案ご提出の遅延についてのお詫び
〇〇商事 営業部 田中様
いつも大変お世話になっております。
本日17時にご提出予定でございましたバナー案につきまして、体調不良のため誠に恐縮ながら2日ほどお時間をいただきたく、ご連絡申し上げました。
私の管理不足によりご予定に影響を及ぼしますこと、心よりお詫び申し上げます。深く反省しております。
9月20日17時までに必ず提出いたしますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
今後はこのようなことがないよう、スケジュール管理を徹底してまいります。
何卒よろしくお願い申し上げます。
渡したのは「田中様」「〇〇商事」「2日ほど遅れる」だけです。今日が何日かも伝えていないので、「9月20日17時」はAIが計算した日付ではなく、作った日付です。実際の提出日と1日でもずれれば、それ自体が新しい遅れになります。
- 項目1(日付・期日): 「2日後」のようなぼかした言い方から、AIが具体的な日付を作ることがある。渡していない日付は、自分の予定と照らすまで消しておく
- 項目2(金額・数量): お詫びメールの例には金額が出てこない。それでも日付と同じように、文面の数字は自分が渡した数字だけかを1つずつ確かめる
- 項目3(名前の表記): 「田中様」が「営業部 田中様」に変わった。部署名が違えば、宛先そのものが違う人に見える
- 項目4(見込みの言い切り): 「2日ほど」が「9月20日17時までに必ず」に変わった。見込みと約束では、相手の受け取り方が違う
値上げのお知らせで足された「据え置き」の約束
お金の条件を伝えるメールでも同じことが起きました。単価の値上げを伝えるメールを頼んだところ、指示していない一文と日付が入りました。
試したプロンプトと、出力に入っていた2か所(単価10%の値上げのお知らせ)
記入済みの例プロンプト
来月から単価を10%値上げすることを伝えるメール本文を書いてください。
理由や経緯の詳細は伝えなくて構いません。
出力に入っていた、指示していない2か所(Claude Sonnet 5・2026-09-18。ChatGPTでは未確認)
- 「今後半年間は改定価格を据え置く予定です」という一文
- 「12月1日」という具体的な改定日
据え置きの期間も、12月1日という日付も、指示のどこにも書いていません。相手を安心させるための一文が、そのまま「半年は上げない」という新しい約束になります。項目4(見込みの言い切り)と項目11(送ってよい約束か)に同時に当たる例です。
敬語のかたさが相手との関係に合っているか見る(項目5〜7)
普段はくだけたやり取りをしている相手に、初めて見積書を送るメールを頼みました。関係を伝えたのに、出力は初対面の大企業あてのような、かたい定型文になりました。
試したプロンプトと実際の出力(初めて見積書を送るメール)
記入済みの例プロンプト
以下の状況で、見積書送付のメール本文を書いてください。
状況:取引先は先月SNS経由で知り合ったスタートアップの代表(Bさん)。
普段のやり取りはチャットでほぼタメ口に近いカジュアルな文体。
今回、初めて正式な見積書をメールで送る。
条件:丁寧なビジネスメールとして、250字程度で書いてください。
実際の出力(Claude Sonnet 5・2026-09-18。ChatGPTでは未確認)
B様
平素より大変お世話になっております。
このたびは弊社サービスにご興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。
ご依頼いただきました件につきまして、下記のとおりお見積りをお送りさせていただきます。
ご査収のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
「丁寧なビジネスメール」という条件を付けると、渡した関係の情報より、決まった型の丁寧さが前に出ました。文法の誤りではないので、日付や金額の確認では引っかかりません。けれども普段くだけた相手に急にこの文面が届くと、「何かあったのか」「距離を置かれた」と読まれるかもしれません。初めての正式な見積だからこそ丁寧にする、という判断もありえます。正しいかどうかではなく、この相手に合っているかを自分で決めるのが項目6です。
- 項目5(宛名・敬称): 名前だけを渡したのに、部署名や役職が足されていないか(お詫びメールの例で「営業部」が足されたのと同じ)
- 項目6(敬語のかたさ): 普段の距離感と合わなければ、崩すか、丁寧にする理由を自分で説明できるようにしてから送る
- 項目7(謝罪の強さ): お詫びメールの例では「私の管理不足」「深く反省しております」とあった。2日の遅れに対して強すぎないかを見る。謝り方は事の重さに合わせる
署名・件名・改行を見る(項目8〜10)
AIは、頼んでいない欄を作って埋めることがあります。お詫びメールの例では、渡していない部署名が宛名に入りました。署名や連絡先でも、同じ目で見てください。
- 項目8(署名・連絡先): 電話番号・住所・肩書を渡していないのに、それらしい文字列や「000-0000-0000」のような仮の文字が入っていたら、自分の実際の情報に直すか消してから送る
- 項目9(件名と送り先の形): メール用なのに件名が無い、チャットに貼るのに長いメールの形になっている、などを直す。どちらに送るかを頼むときに書いておくと、ずれが減る
- 項目10(改行・見た目): パソコンで普通に見えても、スマホでは段落が詰まって見えることがある。値上げやお詫びのように相手の気持ちが動く文面ほど、改行が少ないと圧が強く見える
送ってよい約束か、今送るべきかを決める(項目11〜12)
最後の2つは文面の中身ではなく、送るかどうかの確認です。
- 項目11(送ってよい約束か): 値引き・価格の据え置き・納期の前倒し・継続の発注・無償の対応を、AIが文面に書き込んでいないか。お詫びメールの「9月20日17時までに必ず提出」、値上げメールの「今後半年間は改定価格を据え置く」が、本当に守れる約束かを送る前に自分に聞く
- 項目12(送るタイミング): クレームへの返事・値上げのお知らせ・断りの返事など、気持ちが動きやすい場面で作った文面は、中身が正しくても「今すぐ送るべきか」が残る。次の「一晩置く」を使う
値上げや契約条件の変更を伝えるメールは、送る前に契約書の該当箇所を読んでください。法律上の扱いが心配なときは、専門家に相談してください。
ひとりで確かめるときの工夫
確かめてくれる人がいないときに、12項目を自分で見るための工夫を2つ挙げます。効果を数字で測ったものではありません。
1. 一晩置く(置ける文面に限る)
項目12の具体策です。急ぎでない文面は、下書きのまま一晩置いてから読み返すと、書いた直後には気づかなかった敬語のかたさや言葉の強さに気づきやすくなります。締切がある文面には使えないので、置けるかどうかを先に決めてから使います。
2. 声に出して読む
黙って読むと、文法が正しい文はすんなり読めてしまいます。声に出すと、重なった敬語や同じ言い回しの繰り返し、長すぎる一文でつっかえます。項目6・7の確認に向いています。周りに人がいて声を出せないときは、上の「AIへの依頼文(プロンプト)」に切り替えます。
AIを使わない方が速いケース
日程調整への「承知しました」のような一言の返事は、AIに書かせてから12項目を確かめるより、自分で打った方が速いことがほとんどです。
見分け方は、確かめる時間が、書かせる時間を上回るかどうかです。1行で終わる返事には、AIに渡す情報がほとんど無く、AIが渡していない情報で埋める余地もほぼありません。チェックリストが役に立つのは、日付・金額・条件が入る、ある程度の長さのメールです。
検証ログ
使用したAI・検証日・この検証の限界
本記事の下書き用プロンプトと出力例は、公開前に実際に動かして確認しました。
- 使用モデル: Claude Sonnet 5(当時の無料プランの標準モデル)。照合プロンプトのみ Claude Opus 5.5(有料プランのモデル。無料版では結果が違うことがある)。この記事のプロンプトをChatGPTで動かした検証は行っていません。同じことがChatGPTなど他のAIチャットでも起きるかは未確認です。同じプロンプトでも、出力はモデル・時期・設定で変わります
- 検証日: 2026年9月18日(照合プロンプトのみ2026年9月25日)
- 試行内容: 取引先あての文面を作る短いプロンプト3本(納期遅れのお詫び/見積書を送るメール/単価の値上げのお知らせ)を、それぞれ1〜2回実行し、渡していない情報が出力にどう入るかを見た
- 結果: 3本中2本で、渡していない情報が足された(お詫び: 部署名「営業部」・日付「9月20日17時」・「必ず提出」の約束/値上げ: 「今後半年間は改定価格を据え置く予定です」の一文・改定日「12月1日」)。残る1本(見積書)は、伝えた関係に合わないかたい敬語になった
- 照合プロンプト: 記入済みの例(お詫びメールの全文と元の指示)を、Claude Opus 5.5 の新しい会話で1回実行した(2026-09-25)。人が見比べた答え合わせの3つ(営業部・9月20日17時・必ず提出)はすべて×になり、答え合わせに無かった再発防止の約束(スケジュール管理を徹底)も×になった。ChatGPTでは未確認
この検証の限界
- 試行はいずれも架空の状況・少ない回数(各1〜2回)です。同じことが毎回起きるとも、起きないとも言えません
- 下書きの検証は日本語・Claude Sonnet 5の1モデル、照合プロンプトは Claude Opus 5.5 で1回のみです(他のモデルでの再現は未確認)
- 「敬語のかたさが関係に合っているか」は筆者の判断で、数値にはしていません
まとめ
AIが下書きした取引先向けのメールは、送る前に12項目で確かめます。急ぐときは日付・金額・約束の3つだけ見て、自分が渡していない数字や約束が増えていたら消してから送ります。目で見る時間が無いときは、新しいチャットで「AIへの依頼文(プロンプト)」を使い、×の付いた行だけを確かめてください。
さらに知りたい人へ
- 単価の値上げメールをChatGPTで下書きする|個人事業主が自分で決める6項目と、送る前の照合表 — 値上げの相談メールを、頼む段階から組み立てるとき
- 断りメールをChatGPTで下書きする|個人事業主が発注元に送る前に整理する4つの材料 — 追加作業・値下げ・納期の前倒しを断るメールを書くとき
- フリーランスの見積書・提案文をChatGPTで作る運用術|値引き交渉の言い回しまで使えるプロンプト集 — 見積や提案の文面を作るとき
- 顧客情報をChatGPTに入れてよいか|個人事業主が貼る前に決める2つの基準 — 取引先の名前や金額をAIに貼る前に決めておくこと
- ChatGPTなどのAIチャット1つで、打ち合わせから入金確認までをつなぐ|個人事業主の業務フロー設計 — 打ち合わせから入金確認までの流れ全体
AI生成コンテンツに関する開示: 本記事はAI(Claude)が調査・検証・執筆したものです。検証ログに記載のとおり、掲載した出力例は実際に生成して確認していますが、検証はClaude Sonnet 5・Claude Opus 5.5での少ない回数の試行の範囲にとどまり、ChatGPTでの動作は確認していません。法務・税務に関わる判断は必ず専門家にご確認ください。本サイトは広告・アフィリエイトリンクを含む場合があります。詳しくは免責事項をご確認ください。